集団認知行動療法ってなに?
「集団認知行動療法ってなに?」
認知行動療法に「集団認知行動療法」というやり方があるのをご存知でしょうか。
集団認知行動療法とは、認知行動療法をグループ(集団)で行うプログラムです。
通常の認知行動療法はセラピストとの一対一で、その方のお困りごとに合わせて目的を決めたり
課題を話し合ったりして行われますが、集団認知行動療法はそうではなく、そこに参加した
グループのみんなではなしを聞いたり課題に取り組んだりしていきます。
「どうして集団でやるの?」
個人の認知行動療法には個人の認知行動療法の、集団で行う場合は集団の良いところがあります。
集団で行うことの良いところとしては、みんなで一緒に取り組むという点があげられます。
一人ではなかなか取り組む気持ちになれなくても、似た悩みを持ったグループの人たちと一緒に
取り組むことで、励まし合ったり、勇気づけられたり、悩んでいるのが自分だけではないと思えたり
しながら進んでゆきます。自分の問題と向き合うのでも一人で行う時とはまた違った向き合い方や
気付きを得ることができるでしょう。
他の良い点としては料金の違いがあります。個人の認知行動療法はいわばその人その人のお困りごとに
合わせてオーダーメイドで行われ、(当オフィスは)1回45分8400円で継続的にセッションを行って
いきます。一方で集団認知行動療法の場合、(当オフィスでは)1回90分全13回と回数こそ決まって
しまっていますが 全13回39000円(1回3000円)と、グループで行うからこそ個人よりも費用的な負担を
抑えることができます。
集団認知行動療法の場合、何回目になにをするかというプログラムもすでに決まっているため
その人の悩み事に合わせて課題やペースを変えるという訳にはいきませんが、認知行動療法にとりあえず
触れてみたい、自分で本を買ってやってみたけど思ったように勧められない、みんなで一緒に取り組んだ
方がモチベーションが上がりそう、と言う人にとっては検討しやすいかもしれません。
当オフィスでも,コロナウィルスの感染拡大防止の観点からしばらく集団認知行動療法の開催は見送って
参りましたが、この度、不安の集団認知行動療法の募集を開始いたしました。
実施に際しては最大5名の小人数グループで、入室時の手指消毒、常に換気をした状態での実施となります。
ご迷惑をおかけしますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
Lear More考え方のクセ②「レッテル貼り」
以前、認知行動療法の中でよく取り上げられる「問題になることが多い考え方のクセ」
のひとつとして「べき思考」をご紹介しましたが、今回は「べき思考」と同じく取り
上げられることの多い「レッテル貼り」という考え方のクセについてご紹介します。
レッテルは商品に貼るマークやラベルみたいなものですが、「レッテルを貼る」
という熟語になると「主観に基づいて一方的に評価・格付けしたり、分類したりすること」
の意味になります。特に“主観に基づいて”とか“一方的に”という言葉にはとても頑なな響き
があります。
「レッテル貼り」という考え方のクセは、特段変わったことではなく、「あの人は」
とか「あの人はB型だから」とか、私たちは普段様々なことにごく自然にレッテル貼りを
しながら人生を過ごしています。
そうすることで物事をシンプルに理解することができるという便利な面さえあるかも
しれません。ただ「レッテル貼り」があまりにも極端になると、人生の中で自分自身を
苦しめることが増えていきます。
小学生の頃からテストが苦手で苦しんできた人が、その原因を「自分がバカだから」
だと考えたとします。その人が、もしそれからの人生で自分が失敗したり上手くいかない
ことがあった時にいつも「自分がバカだからだ」と考える様になったらどうでしょう。
小さい頃から友人関係が上手く築けずにいた人が、新しい環境で人と接した際に
「自分はコミュ障だから人間関係を作ることなんてできないだろう」と自分に言い聞か
せたりすることもあるかもしれません。これらは自分への「レッテル貼り」の例です。
「レッテル貼り」の問題点は、それを行ったとしても、ものごとの原因をシンプルに
捉える(それがたとえ間違った捉え方であったとしても)役には立つかもしれませんが
問題を解決、改善するためには何の役にも立たないことが多いことです。
特に、ある一つのレッテルに妙にこだわってしまい、すべてのものごとの原因を例えば
「自分がバカだから」「自分が劣った人間だから」というところのみに見出した場合、
多くは「だからこうしてみよう」という考えにはならずに「○○な自分はどうしたら
いいんだ」といった焦りや「○○だからどうしようもないんだ」という辛い諦めにしか
繋がりません。
もっと頑張れと言われたって「どうせ自分はバカだからそんなことしても無駄だ」と
感じてしまうでしょう。
他の考え方のクセも同じなのですが、「レッテル貼り」は自分にとってはあまりにも
当たり前で自分の人生観に浸透しているため、自分がレッテル貼りをしているという
ことに気が付いていないことも多いのです。
認知行動療法では、まず自分がどんなレッテル貼りをしているのか、と言うことに
客観的に気が付けるようになることを目指します。
「どうすればそれを無くせるか知りたいのに」と思われるかもしれませんが
「レッテル貼りは良くないから直さなきゃいけない!」と思うと、それはそれで苦しく
なってしまいます。
まずは自分のクセを知ることを大切にしていきましょう。
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