ストレスに自分で対処する(コーピングとは)
私たちは日々生きていると様々なストレスに見舞われます。
出かけようと思ったら雨が降っていた、風邪をひいて具合が悪いのに
出勤しないといけない(これはコロナ禍では大分少なくなったかもしれません)
ちょっと苦手な人と会わなければいけない、などなど、仏教では四苦八苦と
言ったりする通り、生きていることはストレスの連続です。
私たちはそのようなストレスに日々対処しながら生活しています。
そのようなストレス対処のことをコーピングと呼びます。
コーピングにはいくつかのタイプがあると言われています。
研究によってその分類は様々あるのですが、Folkman と Lazarusによる最も基本的な
タイプ分けは以下の通りです。
①問題焦点型コーピング
直面した問題(ストレス)を直接解決しようと試みることや解決に向けて
誰かに相談するようなコーピング。
②情動焦点型コーピング
ストレスフルな情動をひとまず安定させることに焦点を当てたコーピング。
気分転換や視点の切り替えだけでなく、気晴らしなども含まれる。
基本的にはストレスに対して問題焦点型コーピングを試みることがストレスの改善には
最も役立ち、情動焦点型のコーピングはあまりよくないとされてきました。
しかし、その後の研究では、情動焦点型コーピングの中でも、そのコーピングを積極的、
意図的に取り入れている場合はストレスに対して効果があることが分かってきました。
また、問題焦点型コーピングを使っている人は、同時に視点の切り替えや気晴らしなどの
情動焦点型コーピングも上手に取り入れている傾向があるという結果も出てきました。
要するに、自分の気分を調整するために使用するコーピングは、それを「逃避や回避」として
行うのではなく、積極的、肯定的に取り入れることが大切ということのようです。
コーピングは「柔軟さ」や「レパートリー」が大切とも言われます。
問題解決に向けて取り組むことは大切ですが、そんなに簡単に解決する問題ばかりではない中で、
そればかりだと精神がすり減ってしまうかもしれません。
また、解決不能だと分かった時には情動焦点型に切り替えた方がストレスに
対処しやすくなることもあるでしょう。
自分が普段どのようなコーピングを使用しているか、誰かに相談したり、おいしいものを
食べたり、ネットで検索したり、様々な方法があると思います。
のレパートリーをできるだけ増やすことが多様なストレスに柔軟に対応するために役立ちます。
現在の自分の対処資源を再認識するためにも自分のコーピングレパートリーを一度リストアップ
してみましょう。
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