認知のクセに対処するには -認知再構成法とは-
これまで様々な「認知のクセ」を見てきました。
きっとこれらの「認知のクセ」を全く1つも持っていない、という方はおられないのではないかと思います。
1つだけしか持っていないと言う人も非常に少ないでしょう。
このような「認知のクセ」は、ほとんどの人が複数にわたって持っていると言われています。
例えほとんどに当てはまったとしても、それは決して珍しいことではありません。
認知のクセを持っていない人はおらず、多くの場合そのクセの程度、極端さが問題になります。
さて、ではこれらの認知のクセが強くて普段の生活が苦しい、人と会うたびにストレスに
苛まれるような状況に陥ってしまったときに、この「認知のクセ」をどう扱っていけばよいでしょうか。
このような認知のクセにアプローチするための方法に「認知再構成法」という方法があります。
これは実際のストレス状況と、そのときに浮かんできた自分の認知(認知のクセ)、
そして気分・感情を紙に書きだしてみて、その場面でクセとして浮かんできた認知とは違った
別の考え方、見方はできないかについて検討し書き出してみるという方法です。
認知のクセは、クセと言われる通り自分にとってはなじみ深く意識していなくても思わず
出てきてしまうものです。その認知のクセが出てくること自体を「悪いこと」と思う必要はありません。
ストレスを体験したその瞬間に、他の考え方をするのはとても難しいでしょう。
そこで、少し時間がたって落ち着いてから紙に書き出す形で色々な角度からその場面を検討してみるのです。
気持ちが落ち着いた状態であっても「別の考え方」を見つけるというのは、実際にやってみると難しいと
思いますので、別の視点を得るためのヒントとなるような質問として「自分の認知のクセから出てきた
考え方を信じなければならない客観的な証拠が何かあるだろうか?」
「もしこれが自分の親しい誰かが体験したできごとで、その人が自分と同じように考えて悩んでいるとしたら
その人に自分はどんな言葉をかけるだろうか」と自分に問いかけながら考えてみましょう。
自分とは違う考え方をしそうな身近な人に聞いてみるのも1つの手です。
ためしにここから認知再構成法のシートをダウンロード、もしくは印刷して取り組んでみましょう。
「とても良い」「素晴らしい」考えを書かなければいけないのではありません。
思いついたことはなんでも書き出してみましょう。
最初から上手くやろうと思わず、少しずつ別の視点に気が付けることができれば良い、くらいの気持ちで試してみます。
いくつかの考え方を書き出すことが出来たら、気分の変化、やってみた感想を最後に整理してみましょう。
この作業を繰り返しながら、次第に別の考え方、別の視点を得るコツをつかんでいきましょう。