感情に点数を付けてみましょう
怒り、悲しい、悔しい、恥ずかしい、感情は私たちにとってなくてはならないもので
私たちは日々様々な感情を体験します。
それだけに私たちは感情に翻弄されます。誰もが自分の感情を上手にコントロールできたら
いいのにと一度は思ったことがあるものでしょう。
感情は誰もがその感情を出そうと思って出すわけではありません。
怒ろうと思って怒ったり、悲しもうと思って悲しんだりすることは普通なくて
(泣きたいと思って悲しい映画を見ることはあるかもしれませんが)
ほとんどの場合は、何かの出来事に反応して自然にその感情が出てきます。
しかし、ひとえに怒り、とか悲しさ、などと言っても、その感情の強さは一定ではなく
その時その時で実に様々です。
認知行動療法では、「感情に点数をつけましょう」ということをやります。
例えば悲しい感情であったとしたら、ミスをして上司に叱られた時に体験した悲しみと、
買って帰ろうと思っていたコンビニのスイーツが売り切れだった時の悲しみは
きっと違う点数でしょう。
そこで、100点満点中で0点はその感情が全くない時、100点はこれまで体験した中で最も
強い悲しみだとして点数を付けてみます。
認知行動療法は、自分自身のストレスや心の動きを、距離を取って客観的に見るという
要素があります。感情は自分自身の中で起こっていることですから、本来客観的に見る
なんていうのはとても難しいものです。それを補助するための工夫として、このように
点数を付けています。
「認知のクセに対処するには -認知再構成法とは-」で紹介したワークでも、ブログ中では
触れませんでしたが、やはり「気分・感情」に点数を付けています。
感情に点数を付けることで、その時自分がどうしてこんなに強い感情を感じたのか、
どうしてこの時とあの時とでは感情の強さが違ったのか、と考えるきっかけになります。
また、アンガーマネジメントとして、怒りを感じた体験とその時の怒りの感情に点数を付けていくことで、
怒りの場面に遭遇した時に「あの時が100点だったから、今は60点くらい」と、自分の怒りを
客観的に見て怒りを爆発させる前に距離を取って付き合う助けになったりもします。
自分が翻弄されている感情があるとしたらその感情を取り上げて、試しに点数を付けてみましょう。
Lear More苦手な行動にチャレンジしてみましょう-認知行動療法の行動へのアプローチ-
前回、認知行動療法の認知へのアプローチの1つとして認知再構成法をご紹介しましたが
「考え方は分かってるんだけれど行動は変わらない。いつものように避けてしまう行動がある」
「こんな風に行動すると後悔するのは分かっているのに、どうしてもやってしまう」と
思われている方もおられるのではないでしょうか。
今回はそのような時に、認知行動療法の行動へのアプローチ法のひとつである「行動実験」に
取り組んでみましょう。
「行動実験」とは、簡単に言えば、これまでなかなか取り組めなかった行動を
実験のつもりで取り組んでみましょう、というものです。
実験をするときには思い付きでやってみるのではなくて、まず取り組む前にしっかり
計画を立てます。いつ、どんな状況で、どんな手順でそれをやるのか、その計画を
読んだ人でも再現ができるように計画をきちんと立てます。
その後に、出来上がった計画に沿っていざ実験となります。
予想通りに行って成功したらそれが一番うれしいですが、もちろん失敗もあります。
しかし、そんなときはこれが「実験」であることを思い出してください。
実験で予想を裏切る結果が出た時には、どう予想と違ったのか、そして何故起こったのかを
きちんと分析していきます。予想を裏切る結果自体が今後の貴重なデータになるわけです。
そうしてきちんと振り返りを行うことで、次の実験に活かすための様々なアイディアが
生まれていきます。
さて、ここで行動実験のワークシートを見てみましょう。(こちらからダウンロードできます)
1.実験の状況 2.予想 3.実験のやり方 とあるところに、できるだけ具体的に計画を
作っていきましょう。
例えば「早起きしてちゃんと過ごす」と書いただけでは、何をするのかわかりません。
「月曜日は朝7時に起きて、すぐに洗面所に行って歯を磨く。朝食を食べる。」とすると
何をするかが分かります。
その方がイメージが具体的になるので「やってみよう」と思いやすくなります。
この計画を立てて実際にやってみて、その結果を 4.実際の結果 に書いてみましょう。
うまく行ったのであれば、どんな風にうまく行ったのか。何が良かったのか、など書いてみましょう。
残念ながらうまく行かなかったら、そのデータを活用するつもりで振り返って書いてみましょう。
何が難しかったか?何が予想と違ったのか?
(例えば、朝食の支度をするには台所が寒すぎるのを予想してなかった)
その上で、次にやるとしたらどのように工夫できるか
(エアコンのタイマーを掛けておく/最初は朝食としたけれどもまずはコーヒー一杯に変更する)
など考えてみましょう。
実験ですから結果に応じて目標や方法を変更するのは自然なことです。
すると、第二回目の実験計画が見えてきます。
そうして、最後に感想を書いてみましょう。
認知再構成法もそうですが、行動実験も繰り返していくものです。
一度で完璧な成功を求めずに、大げさではない、ちょっとずつの変化を実感できるような
実験計画を立てることで、これまでできなかった避けていた行動に少しずつ取り組めるようになりますよ。
Lear More心理療法の世界で最近注目されているコンパッションとは?
当オフィスでは、現在コンパッションを取り入れた集団認知行動療法の参加者様を募集しています。
コンパッション、というのは最近少しずつ心理療法やカウンセリングの世界で知られるように
なってきた言葉ですが、あまり聞き馴染みのある言葉ではないと思います。
コンパッションは、日本語では「思いやり」とか「慈悲」などと訳されています。
皆さんは「思いやり」とか「慈悲」と言った言葉を聞いて、どんな印象を持ちますか?
温かい、とか優しい、仏様の慈悲、とかポジティブな印象を持つ方もいるでしょう。
一方で、中には「思いやり」と聞くと、なんだか軟弱で恥ずかしいような、甘えている
ような印象を持つ人がいるかもしれません。
「慈悲」と聞くと、宗教的な感じがして敬遠したくなったり、きれいごとのようで疑いたく
なったりするかもしれません。
「コンパッション」とは、本来は仏教の用語で「自分や他者の苦悩に細やかに心を寄せ、
それを軽くしたい、防ぎたいと強く願い行動にうつすこと」と言われます。
そこには、素朴な意味での思いやりのニュアンスももちろんありますが、自分の苦しさを
きちんと見て、取り組むといった向き合う意味も含んでいます。
コンパッション・フォーカスト・セラピーは「自己批判」と「強い恥の感覚」に苛まれるあまり
うつ病がなかなか良くならない人へのアプローチとして、認知行動療法や仏教、
マインドフルネスの知見を統合して開発されました。
仏教では四苦八苦と言う言葉もありますが、人間には、人間であると言うだけで避けては通れない
苦しみが無数にあると言われています。コンパッションと言うのは、いわばそのような苦しみに
対しての取り組み方を心理療法として取り入れたものとも言えるでしょう。
コンパッション・フォーカスト・セラピーや、コンパッション・マインド・トレーニングといった
これらの方法は、まずはコンパッションがどのようなものかを知るところからはじまっていきます。
自分の内にコンパッションを養うための方法の一つとして、前回のブログのテーマともなっていた
マインドフルネスを活用します。また、様々なワークに取り組んでいきます。
代表的なものに、思いやりのある他者や自分をイメージしてみるというワークがあります。
少し目を閉じて思いやりのある人を想像してみましょう。
どんな人が浮かんできますか?
また、思い浮かんだその人はどんな表情で、どんな言葉をあなたにかけてくれるでしょうか?
そのとき、あなたはどんなことを感じるでしょうか?
そんなところを足掛かりにしながら、自分に、他者に、コンパッションを向けられるように
進んでいきます。
少しでも興味や関心がでてきたな、と思われた方は当オフィスまでお気軽にご連絡ください。
Lear Moreフラワーアレンジメント⑩
関東も梅雨が明け、暑い日が続いています。
アレンジメントにパイナップルが入っています!
今年はスーパーの店頭で台湾パイナップルをよく見かけますね。
芯まで柔らかく、甘みが強くて美味しいので、店頭で見かけるとついつい買ってしまいます。
調べてみましたら、パイナップルにも花言葉がありました。
【花言葉】
パイナップル・・・「完璧」「完全無欠」「蓄える」
表面のゴツゴツしたものは、一つ一つの果実だそうで、たくさんの実が
集まっていることから、この花言葉になるのですね。
アレンジメントは「フィオリスタぴあに」さんが届けてくれています。
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