ごほうびを上手に使ってできない行動⇒習慣に
2025年となりました。新しい年を迎えて、今年の抱負や、今年こそはこうだったらな、と思うことが
皆さん何かしら一つはあるのではないでしょうか。
しかし、そのようにして思い浮かぶことは、大体は去年も同じようなことを思っていたものであることとも
多いはずです。
これまで、新しい行動を獲得するための記事をいくつか書いてきましたが(行動活性化)、
行動を定着させるためには心理学の中では「ごほうび」が重要と言われています。
心理学の専門用語でごほうびは「強化」とか「強化子」と呼ばれており、
古くから、「新しい行動を定着させるための要因」として知られています。
強化には「自然な強化」と「意図的な強化」があると言われています。
自然な強化というのは、行動をすることによって自然にご褒美が得られることです。
例えば唐揚げを食べたらおいしい!とか、気になっていたマンガの続きを買ったらおもしろかった!とかです。
しかし、今年の抱負にするような行動というのは、大体がそのように自然な強化が
得られるものではないか(家の掃除とか“運動する”とか)、得られるとしても苦労の
果ての果てにご褒美がある(○○試験のために勉強する!とか)ものがほとんどです。
そのような自然な強化が得られない時には「意図的な強化」が有効です。
これは「○○ができたらご褒美にケーキを買おう」というもので、自分でご褒美を決めて準備をして、
自分をほめたり、甘やかしたりすることです。
このようなご褒美は何となく誠実じゃないと感じたり、ごほうびがなければやらなくなるような
気がして長期的には意味がないと感じるかもしれません。けれど大切なのは、それによって
数回は行動が生じることです。数回の行動が生じることで、その行動が自分にとって必要な
行動なのであれば、その中に多少なりとも「自然な強化が得られる」体験が見つかるでしょう
(掃除をした後は気持ちが良い、勉強すると理解ができる)。
確かに意図的な強化は準備する面倒がありますが、行動することで自然な強化に気がついてくると、
意図的な強化と自然な強化の相乗効果で、ぐっと行動が定着しやすくなります。
ですので、意図的な強化によって行動をしてみたら、その行動の中に自分にとってのうれしい
効果がないか、気にしながら取り組んでみると良いでしょう。
もし、自然な強化が得られなかったとしたら、その行動が本当に自分にとって必要なものか、
考え直すきっかけにもなることもあるかもしれません。
さて、皆さんも「意図的な強化」を遠慮なく使って、今年の抱負を設定してみましょう。