どうして先延ばしをしてしまうのか
先延ばし=procrastinationは、心理学の中でも昔から繰り返し研究されてきました。
先延ばしには肯定的な面と否定的な面があると言われています。
先延ばしのこころへの影響
先延ばししている最中は、本人にとって肯定的な影響が得られます。
嫌なことを忘れられたりリラックスできたりします。
しかし、先延ばしは先延ばしが終わった後に
否定的な影響が出てくる傾向があると言われて
います。先延ばしをしている間は嫌なこと、
苦しいことを忘れることができますが
その分、後になって
「あの時ちゃんとやっておけば」と
後悔したり時間が無くなって慌てたりしてしまうといったことに繋がるのです。
また、先延ばしの否定的な影響は、先延ばしが繰り返されるほどより強くなっていく
ということが明らかになっています。
肯定的な先延ばしもある
一方でネガティブな結果に陥りにくい先延ばしもあることが分かっています。
「active procrastination =積極的先延ばし」と呼ばれるこの先延ばしは、簡単に言えば
「ギリギリに短時間で詰め込んだ方が集中できるんだ」と思って積極的に先延ばしを選択することです。
まだ期限まで余裕のあるしばらくの間は、仕事に手を付けないのは普通の先延ばし(受動的先延ばしとも呼ばれます)
と同じですが、先延ばし後であってもネガティブな影響を生じず、期限までにきちんと作業に取り組むことが
出来ると言います。やりたくないからと思って結果的に先延ばしてしまうのではなく、先延ばしを
1つの戦略として使っているとも言えるかもしれません。
先延ばしするクセをなくすには
肯定的な先延ばしもあるとはいえ、一般的な先延ばしは繰り返すほどに否定的な影響が強くなりますから、
その流れをどこかで断ち切ることができると良いに越したことはありません。
まずはやるべきことを、いつどのようにやるかを明確にすることが大切です。「とにかく家のことを頑張る」だと、
なにをどう頑張れば目標を達成したことになるのかが曖昧で行動を起こそうと思えません。
「テーブルの上を片付ける」など、まず具体的な第一歩を設定しましょう。この時注意するべきなのは
いきなり高い目標を設定しないことです。
「先延ばし」は意外にも「完璧主義」の人に多いと言われています。完璧主義の人は目標を知らず知らずに
高く設定し過ぎてしまうために、最初の一歩を非常に重く感じられてしまうところがあるようです。
先延ばし癖のある方は、自分が設定した目標を「こんなに低くていいの?」と感じるくらいに小さく
感じられる目標にしてみましょう。すると、最初の一歩が踏み出しやすくなるかもしれません。
こまち臨床心理オフィスでは来談者様のお困りごとをお聞きして
その方に合ったカウンセリングの方法をご提案いたします。