考え方のクセ⑤「予言の自己成就」
毎回心配した通りの失敗をしてしまうから、人前で話す事や、一人で何かすることや、
誰かと何かすることが本当に苦手だ。
例えば電話が苦手な人がいたとします。
なぜ電話が苦手かと言うと、周りに仕事のできるしっかりした同期や尊敬する上司がいる中で
彼らにがっかりされないように、間違わずにハキハキと受け答えをしなければいけない
(と信じている)からです。
いざ電話をはじめると「もし声が震えたらどうしよう」
「もし話している途中で噛んでしまったらどうしよう」と不安が頭を駆け巡り
普段おしゃべりをしているときには全く意識しないような、話すテンポ、スムーズさ、
言葉の選び方に妙に意識が向いてしまいます。するとどんどん緊張してきてしまって
本当に声が震えてきてしまいました。
「ああ、やっぱり心配した通りになった」「やっぱり自分は電話が向いてないんだ。
なんならこの仕事に向いていないんだ」と、その日は一日散々な気持ちで過ごすのでした。
不安な時には「もし不安に思っていることが実現してしまったら」という最悪な想定を
してしまうものです。しかしそれがただの頭の中のイメージに留まらずに、自分の感情、
行動、身体の動きに作用して平常心が奪われ、普段のパフォーマンスが出せなくなって
しまうことがあります。
結果的に、そこまで考えすぎなければ普段通りにできたものを失敗へと導いてしまうのです。
このように自分が恐れていた結末をそれにこだわるあまり意図せず自分で実現してしまうことを
「自己成就的予言」と言います。
このクセに捉われたまま失敗してしまうと「やっぱり思った通り自分はこれが苦手なんだ」と
自己成就的予言を自分で補強してしまう悪循環へと陥ってしまいます。
意味合いに少し違いがありますが、人間関係においても似たようなことが起こります。
相手に見捨てられたり嫌われたりすることを恐れてその関係に固執するほどに
かえってお互いにうんざりして相手から嫌がられてしまうということがあり、
これは「悲しき予言の自己成就」と呼ばれています。
いずれにせよ自分の強すぎる考えが、自分をかえって望まない方向に自分の恐れている方向に
向かわせてしまっているのではないか?
このように振り返ってみることが不安と失敗の悪循環から抜け出すきっかけになることが
あるかもしれません。
Lear More引きこもりと家族
引きこもりという言葉は一昔前からワイドショーなどで取り上げられるようになり、
平成30年にはひきこもりサポート事業が拡充されるなど、現在まで関心を向けられ
続けているように思われます。
厚労省では引きこもりを「様々な原因で長期間自宅などから出ず、自宅外での生活の場が
ない状態」と説明しています。
平成29年の横浜市を対象にした調査では15歳~39歳のうちの約1.4%が引きこもりの
状態にあると言うことでした。
さらに「自分も家や自室に閉じこもりたいと思うことがある」などの質問に「はい」
「どちらかといえばはい」と回答した「引きこもり親和群」は約7%だったようです。
すると、15歳~39歳のうちの8.4%(推計だと8万7千人くらいになるようです)の人たちは
引きこもりと親和性の高い状態にあると言えるわけで、これだけの人数がそのような
状態にあるとすれば、関心を向けられるのも自然なことだと思わされます。
引きこもりに関しては、サポートを求める人の多くは当事者の家族、親族です。
家族は当事者になんとか自分で動いてほしいと願いながらも、それが叶わない毎日を心配し、
困り果てていることがあります。
齋藤ら(2018)は「ひきこもり状態の人が支援機関に踏み出すまでの心理的プロセスと家族支援」
という研究の中で、引きこもり状態の人が支援機関に踏み出すまでの転換点を3つ挙げています。
①〔親からの非難の沈静化〕による 〔追い詰められ感の軽減〕
②〔安全基地の獲得〕が社会への志向へ
③〔背中を押される〕ことで 〔勇気を出してハードル越え〕ヘ
(論文中には3つの転換点がより詳しく説明されています。全文はこちら)
高田(2018)によれば「確信的に」「のびのびと」ひきこもれる人は僅かで、
むしろ、ほとんどのひきこもりの人に共通する葛藤構造は
「ひきこもりたくないのにひきこもってしまう」というものだと言います。
そのような葛藤状態の中、周囲から理解されないことに悩む当事者に対して家族は
何よりも本人の苦悩を理解し非難をせずにいることで、本人の追い詰められ感を低減する
ことが重要だと言います。
次なる転換点として、家事や料理など家族の中での役割を引き受けることで、
家族に受け入れられているという安全基地、居場所感を家に感じられるようになること、
最後の転換点で、はじめて親からのアプローチが本人を動かす助けとなり得るのかもしれません。
その際にも、やはり親は一方的にアプローチするのではなく、伴走者として本人が動こうと
しているそのタイミングを待ち、見極める姿勢が重要なようです。
引きこもりは非常に長いプロセスに家族自身も耐えることになります。
「非難をせずにいること」「焦らないこと」が家族にとっていかに困難かは論文の中でも
言及されています。しかし、このようなプロセスが可能性ある見通しの1つとして提示されることが、
先の見えない中でただ耐えることとは違った一縷の希望と感じられることもあるかもしれません。
引用文献:
斎藤まさ子, 本間恵美子, 内藤守, 田辺生子, 佐藤亨, & 小林理恵. (2018)
ひきこもり状態の人が支援機関に踏み出すまでの心理的プロセスと家族支援. 家族看護学研究, 24(1), 74-85.
高田さやか. (2018). ひきこもりの実態と支援. 夙川学院短期大学研究紀要, 45(45), 91-103
Lear Moreフラワーアレンジメント⑤
アレンジメントもハロウィン仕様になりました。
今回はアレンジメントの中心になっているダリアをご紹介します。
ダリアは色、形、大きさが多彩ですが、特に咲き方(花型)は16,7種類もあるそうです。
シングル咲、ポンポン咲、フリル咲、カクタス咲・・さらにその中で、花弁の形によっても
分かれているそうです。
色の豊富さと華やかさが魅力で、とても人気のあるお花です。
育てやすいお花でもあるので、お気に入りのダリアを見つけて育ててみるのも
楽しそうですね。
【花言葉】
ダリア・・・「華麗」「優雅」「気品」
アレンジメントは「フィオリスタぴあに」さんが届けてくれています。
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考え方のクセ④「自己関連付け」
会社で自分のいる部署が関わるトラブルがあった時・・
自分が居る近くで子どもが転んでけがをした時・・
そんな何か良くないこと、悪いことが起こった時に「自分がもっと気を付けていれば
よかったのに」「自分のせいで大変なことになってしまった」といつも自分を責めて
しまうようなことはありませんか?
それはもしかしたら「自己関連付け」という考え方のクセのせいかもしれません。
「自己関連付け」とは、読んで字のごとく、何か身の回りで良くないことが起こった時に
その原因を「全ては(あるいは重要な部分は・大部分は)自分の責任である」と
自分に関連付けてしまうことを言います。
トラブルやミスは誰もがするものですから、場合によってはその理解が
当たっていることもあるでしょう。
ただ、身の回りの些細な事柄から大きな事柄までどんな悪い出来事でも
自分を責めてしまう気持ちや、誰かに謝りたい気持ちが出てくるのであれば
それはちょっと極端かも?と疑ってみても良いかもしれません。
世の中で起こる現象は、それがミスであれトラブルであれ、たった一つの
原因から引き起こされているということはほとんどありません。
この世はもっと複雑です。
子どもが転んでけがをしたのも、子どもが急に走り出したこと、道がきちんと
舗装されていなかったこと、急に呼び止められて子どもから注意が(やむを得ず)
逸れたこと、周りに他に見てくれている人がいなかったこと、様々な原因に
よって結果が生じています。
これを「自分の責任だ」と片づけるのはあまりに単純すぎる気がしないでしょうか。
「責任のパイ」というワークがあります。これは大きな丸を書いてみて、
それを円グラフ(パイチャート)に見立てます。
その出来事(結果)が引き起こされた原因をリストアップして「それぞれの原因が
その結果に何パーセント寄与しているか」をパイを切り分けていくように円グラフに
当てはめていく、というワークです。
子どもが急に走り出したのは30%、道が舗装されていなかったのは20%…などと考えていきます。
そうすると、当初思っていたほど自分の責任は多くないことが客観的に見えてくるのでは
ないでしょうか。
これは「全てあいつが悪いんだ」と怒りが収まらない時などにも役立てることが
出来るかもしれません。
感情は強力で、私たちから客観的に考える力を奪っていきます。
このような方法が客観的に考える力を取り戻すのに役立てば良いなと思います。
Lear Moreフラワーアレンジメント④
大船オフィスの待合には、いつもご紹介している生花アレンジメントのほかに
季節に合わせた置物を飾っています。
10月と言えば・・・ハロウィンですね。
最近はこんな可愛らしいかぼちゃが出迎えてくれていますよ。
さて、この中のドングリですが、ちゃんと花言葉がありました。
【花言葉】
ドングリ(団栗)・・・「永遠の愛」「もてなし」
ドングリの種類は国内だけでも20種類ほどあるそうです。
公園を散歩しながら、ドングリの観察などしてみてはいかがでしょうか。
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