診察とカウンセリングの違いについて
以前、「カウンセリングとは」の記事を掲載しましたが、いくつかご質問を
いただいていたので、4回に分けてもう少し詳しく掲載していきます。
意外と多く受ける質問として、カウンセリングと診察の違いがあります。
それは質問とは違う形であっても、診察とカウンセリングに違いを明確にご存じない方が、
診察のつもりでカウンセリングを希望される場合もあります。
なので、この場をお借りして、カウンセリングと診察の違いについてお伝えできればと思います。
まずは診察ですが、これは医師のみが行う医療行為です。
例えばAさんが医療機関を受診し医師の診察を受け、診断を下し、治療します。
これら太字で書いた部分は法律(医師法)によって医師としか行うことが出来ない医療行為で、
弁護士等と同じ業務独占(その資格を持った者しか出来ない業務)の資格となります。
なので、もし発達障害やうつ病、適応障害といった診断が必要な場合は、医療機関を受診して、
医師に診察を受けていただき、診断を受ける必要があります。
また、医療行為である投薬治療(特定の薬を処方する行為)も、診察で医師しか行うことが
出来ません。もちろん、診察の中で患者の相談を聞き、指示や指導、アドバイスを行うと言った
カウンセリングと重複する部分も多くありますが、カウンセリングとの明確な違いは
医療行為かどうかというところにあります。
ただ、国家資格として公認心理師ができたこともあり、医療施設や医師の指示で行う
カウンセリングも医療行為の一部として扱ってよいかもしれません。
次回は「心理カウンセリング①」です。
Lear More自分史づくりとカウンセリング
先月になりますが、このようなニュースがありました。
もともと認知症予防として活用されていた自分史づくりが、
就活での自己分析や、自己PR、社員研修などに役立つとして注目されている
といった内容でした。
実際に「自分史 就活」で検索すると自分史作りを紹介する様々なサイトがヒットします。
いくつかのサイトを見てみると、自分史づくりの目的は「自分の過去を振り返り
自分の行動パターンや大事にしている価値観を見つける。再認識する。」ことのようです。
さらには、そうすることによって自分の強み、アピールポイントを見つけることができれば
そのまま就職活動に活かすことができるわけです。
確かに人は、自分がこれまでどんな経験をしてきて、それが自分にとってどんな意味を持って
いたのかといったことは、案外深く考えずに生きてきているものです。
「自分史づくり」を通して、自分の意外な行動パターンや価値観にはじめて気が付くというのは
決して珍しいことではないでしょう。
このような「自分史づくり」は、カウンセリングのはじまりと似たところがあるかもしれません。
カウンセリングでも、最初の数回のセッションをかけて、その方のこれまでの歴史をお聞きして
いくことがよくあります。これはただ儀礼的に昔の話をしてもらっているわけでも、過去に問題が
あるせいだと決めつけたくて聞いているわけでもありません。
これをするのにも様々な理由があるのですが、「これまでの行動パターン」や「人との関係の持ち方
のパターン」「大事にしてきた価値観(生き方のパターン)」を知っていくというのは、
その理由のうちの大事なひとつです。
ただしカウンセリングの場合は、そうすることによって自己PRを作成するためではなく(そうである
場合もあるかもしれませんが)その情報をカウンセリングにやって来られた方が「今、現在」困って
おられる事柄の内容と照らし合わせながら考えていくことに活かしていきます。
現在の困りごとが過去のパターンと意外なほどよく似ている、ということがままあるからです。
そのように最終的な目的には違いがありますが、「その人のパターン」を知っていくという点では
就活での自分史づくりとカウンセリングのはじめに過去のお話を聞くことは共通している部分が
あるのだと思います。
その意味では、カウンセリングの数回のセッションはカウンセラーと一緒に自分史づくりをしている
といった見方もできるのかもしれません。
Lear More考え方のクセ①「べき思考」
認知行動療法は、問題やストレスを増大させている認知(=考え方)の癖、行動の仕方の癖をみつけて
それをよりストレスや問題の少ないものへと変化させていく方法です。
認知行動療法についてご存じの方は「認知の歪み」という言葉をご存じかもしれませんが、
これは「問題になることが多い考え方の癖」ということです。
その中の1つが「べき思考」です。
「ああすべきだ」「こうするべきだ」「こうするべきではない(してはいけない)」と、「べき」と言う
言葉を使って自分の行動や相手の行動を批判したり、縛ったりする考え方です。
例えば「人に良くしてもらったら、自分もそのようにして返すべきだ」という考えはとても
素晴らしい考えです。
みんながそのように考えて生きていくことができれば、世の中はもっともっと良くなっていくことでしょう。
しかし、もしこの考えが「べき思考」になって自分の中の絶対に守らなければいけないルールと
なっていたらどうでしょうか。
常にこの考えの通りに生きていければ何も問題はありませんが、場合によってはそうできない時もあるでしょう。
相手に良くしてもらっているのに、自分からは何もお返しが出来ないように感じることも出てくるかもしれません。
そのような時に、このべき思考を信じて生きてきた人は、「自分はとても駄目な人間で、すべきことができていない
どうしようもないやつだ」と思って落ち込んでしまうかもしれません。
世の中は本当にいろいろなことが起こるので、一つの考えや信念を、常に守って生きていくのは不可能なものです。
それでもその考えを全うしようとするとしたら、それは「極端な考え方のクセ」になっていると言えるかもしれません。
けれど自分の中ではごく当たり前、当然の考えなので、それがやや「極端」で「考え方のクセ」になっている
ことにはなかなか気が付きません。
もし、自分自身の生き方を振り返ったときに、自分の中に「~すべき」「~すべきでない(してはいけない)」という
考えに気づいたら、その考えが自分にとってどの程度強い(強固な)ものか。また、その考えを大事に持つことが、
自分の人生にとってプラスになっているか、マイナスになっているか、考えて見ると良いでしょう。
もちろん、マイナスになっているからと言って、その考えが間違っている、その考えを捨てろというのではありません。
その考えを、少しだけマイルドにできないか考えて見ましょう。
※「べき思考」へのアプローチの1つとして・・ 「認知再構成法」について
Lear More新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止に関するお願い
新型コロナウイルス(COVID-19)感染予防および拡散防止のため、
下記についてご理解、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。
・熱がある、咳が出るなどの症状がおありの場合はカウンセリングをご遠慮いただきます
ようお願いいたします。また、現在当オフィスをご利用の方で、新型コロナウイルス感染症の
診断を受けた方はご連絡ください。上記に関連してのご予約日時の変更には、キャンセル料は
発生いたしません。
・心理士は感染予防、拡散防止のためマスクの着用をしております。カウンセリングご利用者様も
マスクの着用をお願いいたします。
・心理士は感染予防行動を励行し、体調不良の場合は出社を控える様にしており、健康
チェックを行っています。
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